美容

化粧品の動物実験は必要?科学的進歩と倫理のはざまで考える

化粧品の動物実験とは
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

犬や猫が殺処分されていることや、毛皮のために犠牲になる動物たちのことは認識も広まり度々問題視されていますが、化粧品の製造過程でも多くの動物の犠牲を伴っていることをご存知でしょうか。

シャンプーが目に入ったときや、日焼け止めを塗った肌が紫外線を浴びたとき、口紅が口から体内に入ったとき、その化粧品の成分が私たちの体にどのような影響を及ぼすのか。

これらを調べるために、ウサギやモルモット、マウス、ラットといった動物たちを実験台に、化粧品成分である化学物質の毒性試験が行われています。

動物たちは、痛くても苦しくてもそこから逃れることはできません。さらに、実験が終わっても治療が行われることなく、最後は殺されて廃棄処分されます。

化粧品の有用性確認のため行われる動物実験の内容

世界中で化粧品のために犠牲になっている動物の数は、毎年10万~20万匹と推定されています。動物実験に使用されるのは、ウサギ、モルモット、ハムスター、ラットやマウスなどが含まれます。
化粧品の毒性試験のためには使われませんが、その他の化学物質の試験においては、イヌやサルも用いられています。

「美白」「アンチエイジング」「育毛」「ニキビ」「シワ予防」といった化粧品の有効性を確認するために、動物を使用した実験がさまざまな化粧品メーカーで行われています。

化粧品のための動物実験として長く使われている方法のひとつに、ドレイズテスト(眼刺激性試験)があります。

化粧品の動物実験とは

これは、ウサギの首を固定し、片目に直接薬品を入れ、シャンプー原料などによる目への刺激や損傷をみる実験です。
この実験でウサギの目には充血や出血、失明などさまざまな症状が現れ、あまりの痛さに暴れて、首の骨を折って死んでしまうこともあります。

化粧品の有効成分を皮膚を通して体内に吸収させる実験では、マウスやラット、モルモットなどの動物に薬剤を塗布したり、薬剤の入った容器を密着させて、その後血液や尿、皮膚の薬物の濃度を測定したり、一定時間後に死亡させた後、体内の薬物濃度を測る(オートラジオグラフィー)といったことが行われています。

 

化粧品の動物実験が必要ない理由

倫理的問題

化粧品の動物実験とは

動物実験は、動物たちに大きな苦痛を与えます。
身動きがとれないよう体を拘束されて刺激性のある薬物を投与されたり、長期間化学物質を塗布される実験は、人間と同じように痛みを感じる動物に行うにはあまりにも残虐すぎる行為です。

この動物実験により、心身に後遺症が残るのはもちろんのこと、地獄のような苦しみの後にも、最後には安楽死という末路が待っています。

 

すでに安全性の確認が取れた成分が3,000種類以上ある

新規原料開発が生む利益にしがみつく化粧品メーカーは、さまざまな働きかけがあっても尚動物実験を継続し、さらにそれをEUでも販売させようと画策している状況にあります。

ですが、現在すでに安全性の確認の取れた成分は3,000種類以上あるといわれ、動物実験を行わないことを理念にしている化粧品ブランドは、こうした既存成分を使用しています。

3,000種を掛け合わせることによる組み合わせは無限にあり、新規原料のために動物実験を行うことは人間の際限なき欲望でしかありません。

 

動物と人間とでは個体差がある

米国のMRMC(※1)は、

ヒトとウサギでは、まぶたや角膜の構造、涙の量が異なるため、ドレイズテストは、ヒトへの毒性を予測するのに信用できないものとなっている。実際、14種類の家庭用品について、眼の炎症に関するウサギのデータをヒトのデータと比較したところ、18倍から250倍もの違いがあった。

と報告しています。

(※1)Medical Research Modernization Committee

さらに、マウス実験は細胞実験などに比べてばらつきが大きく、小さな差に関して有意差を取ることが難しいことが多いです。
マウスに限らず、個体差が大きく有意差が取りにくい場合、その差が有意かどうか判断できるまでひたすらn数を増やすという手法もとられます。

しかし、細胞実験に比べ、マウスを用いる実験は時間や費用、労力がかかることが多く、資金的な面でもデメリットになります。

 

代替法の研究が進んでいる

化粧品の動物実験とは
動物実験における3Rとは?

研究界においては、次の3つのRが広義の「代替法」と呼ばれています。

  1. Refinement(リファインメント)= 洗練
    実験方法を改善することで動物たちの苦痛の度合いを軽くする
  2. Reduction(リダクション)= 削減
    実験に使う動物の数を減らす
  3. Replacement(リプレイスメント)= 置き換え
    実験に生きた動物を使わない

ひとつめのRefinementは、苦痛の度合いを軽減したとしても、実質的な実験動物数の削減や置き換えに結びつくものではありません。
また、ふたつめのReductionも、実験動物の数を減らしたとしても、苦痛を強いられる動物がいること、また最終的に処分されることには変わりがありません。

最終的に私たちが目指すべき動物実験代替法とは、Replacementであるべきでしょう。

 

現在では動物を使わない多くの優れた代替法が開発され、高度な技術を駆使した方法があります。それらの代替法は、世界各国で、医学研究や製品・化学物質の安全性試験、教育現場での実習などに採用され始めています。

動物実験のさまざまな代替法

疫学(住民)調査
生検組織診断
臨床試験
臨床実習
ヒトの培養細胞
ヒトの皮膚モデル
人間のボランティアによるテスト
手術後、死亡後に提供されたヒトの組織や臓器
コンピュータシミュレーション
MRI、MEGなどの画像診断
データベースの活用
精巧なモデルやマネキン

など

出典:動物を使わない実験方法『代替法』|JAVA

 

EU では化粧品の動物実験が全面禁止

2013年3月、EUでは、化粧品の動物実験が例外なく全面禁止になりました。2009年3月からは「化粧品の原料のための実験禁止」の項目も追加されました。

これにより、EU域外で2009年3月11日以降に動物実験がなされた化粧品(完成品、原料、原料の組み合わせ)がEU域内で販売されることは禁止になりました。
EUの決定をきっかけに、EU以外の国々でも「動物実験廃止」の機運を盛り上げていくことが今求められています。

参考:EUで化粧品の動物実験が禁止されるまで | JAVA

 

「動物実験していない」メーカーの抜け道

日本国内では動物実験は行わないが中国向け商品において実施

化粧品の動物実験とは

現在、中国国内での販売には動物実験が義務付けられており、日本企業の中には、中国で販売するにあたっては新たな動物実験を実施する必要が生じるということを知った上で、中国に自社商品を輸出している企業があります。
そして、それらの企業は私たちにもとても身近な、ドラッグストアなどでも手に入れることのできる化粧品ブランドです。

これまで、日本においてもJAVA(NPO法人動物実験の廃止を求める会)をはじめとした化粧品の動物実験廃止を求める団体の働きかけによって、「動物実験廃止」を宣言した大企業が増えてきましたが、
この巨大な中国マーケットへの参入を隠れ蓑にしていることも看過できない実情です。

創業時から徹底して動物実験反対の姿勢を貫いているLUSH(ラッシュ)など、真にcruelty-freeな企業は、動物実験の法令が改正されるまで中国では販売しないと宣言しています。

 

動物を犠牲にしない美しさをまとう

外見とは内面の一番外側である

 

この投稿をInstagramで見る

 

ラヴィステラ(@laviestella.jp)がシェアした投稿

私たちラヴィステラは、代表が動物実験の現状に胸を痛めたことから、「動物を犠牲にしない化粧品ブランド」として誕生しました。
開発において動物実験を行わないこと、さらに成分にも動物由来成分は使用しません。

乾燥肌,敏感肌,クレンジングミルク,ラヴィステラ

真に美しい生き方とは何でしょうか。
私たちは、他者を思いやって生きることが、より人を美しくするものだと思います。

外見だけの美にとらわれない、内面から輝く美しい人を増やすこと。
それが私たちの使命であり理念です。

ラヴィステラ公式オンラインショップ
 

 

ABOUT ME
ラヴィステラマガジン編集部
ウェルネス&ホリスティックライフを提案するウェブマガジンです。植物療法士監修のヴィーガンスキンケアLA VIE STELLAもよろしくね♪