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肌とサンゴに優しい日焼け止め、4社の成分と特徴を徹底比較!

肌とサンゴに優しい日焼け止め、5社の成分と特徴を徹底比較!
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昨今、日焼け止めに含まれる「紫外線吸収剤」がサンゴの破壊につながっていることから、ハワイやパラオをはじめ、サンゴを傷つける成分の配合された日焼け止めの販売が禁止される流れがあります。

日本ではまだ規制はありませんが、オーガニックコスメやナチュラルコスメのメーカーを中心に、サンゴに優しい日焼け止めが販売されています。
この記事では、化粧品開発者監修のもと、肌とサンゴに優しい日焼け止め5社の成分と特徴を解説・比較しています。

「リーフセーフ」の日焼け止めとは?

Reef safe(リーフセーフ)とは、サンゴに優しいことを意味します。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)の発表によると、ハワイ島で56%、マウイ島で 44%、オアフ島で32%のサンゴ礁が白化を受け死滅していると言われています。

 

なぜ「サンゴに優しい日焼け止め」を選ぶの?

世界中で広まる「サンゴを傷つける日焼け止めの禁止」

出典:1L当たり10μL(10万分の1)の日焼け止めを添加した実験 | 肌のクリニック

 

2018年8月に、ハワイ州ではサンゴ礁に有害な化学物質を含む日焼け止めの販売を禁止する法案を可決しました。
さらに2021年からは、「オキシベンゾン」と「オクチノキサート」を含む日焼け止めの販売は州全土で禁止されました。

紫外線吸収剤(オキシベンゾン、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル等)は環境ホルモンの疑いが指摘されていて、海洋環境と海の生態系に重大な被害をもたらしていることが非営利の学術団体の調査で明らかにされています。

とくにサンゴ礁への影響が大きく、サンゴにこれらが染み込むと内部に住む藻類が死滅して白化現象を引き起こし、すでにダメージが広がりつつある世界のサンゴ礁の壊滅の危機にますます拍車がかかることになります。

出典:SATOMINODA OFFICIAL WEBSITE

ある専門家の話では、年間1万4,000トンもの日焼け止めが、海水浴客の遊泳や生活排水を通じて海へ流れ込んでいる事実もあるそうです。

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サンゴに優しい日焼け止めと一般的な日焼け止めの違い

サンゴに優しい日焼け止めの成分って?

日焼け止めには大きく分けて2つの種類があります。
ひとつは「紫外線吸収剤」。サンゴ礁の白化現象として指摘されているのはこちらの成分で、紫外線を吸収して、熱やエネルギーに変えて放出します。
このとき皮膚表面では化学反応が起きるので、アレルギーや肌荒れになる恐れもあります。

もうひとつは「紫外線散乱剤」。サンゴに優しい日焼け止めにはこちらが使用されています。
「酸化亜鉛」や「酸化チタン」、「酸化セリウム」といった主に粉末の散乱剤を用い、肌表面で受ける紫外線を乱反射させて紫外線の影響を防ぐメカニズムになっています。

 

リーフセーフの日焼け止めは肌にも優しい

酸化亜鉛酸化チタンといった紫外線散乱剤を使用した日焼け止めなら、サンゴにも人間の体にも優しく、また日焼け止め特有の圧迫感を感じません。

ただし、ナチュラルコスメの中には紫外線散乱剤をナノ化することで紫外線防止効果を高めているものもありますので要注意。

粒子が大きい日焼け止めは、仮に海に流れてもサンゴが誤って吸収してしまう心配がありません。粒子が大きいということは塗ったときに肌の奥の奥まで浸透しにくいので、サンゴだけでなく私たちの体にも安心です。

「ノンナノ」「ナノ粒子不使用」といった表示のある商品を選びましょう。

 

サンゴに優しい日焼け止め4社の比較

ナチュラルコスメ・オーガニックコスメメーカー4社の、紫外線吸収剤不使用の日焼け止めを比較してみました。

1.サンゴに優しい日焼け止め(ジーエルイー合同会社)

サンゴに優しい日焼け止め(ジーエルイー合同会社)

商品名そのまま!な日焼け止め。容器にアルミケースを使用するなど、成分だけでなく容器も環境に優しいことにこだわっています。また、化学変換した成分も不使用で、天然由来成分にこだわった処方です。

さとみ
さとみ
私は化粧品開発を行っていますが、一般的に天然成分で高い紫外線カット効果を出すのは難しいです。よってナチュラルコスメは、成分をナノ化することで紫外線カット効果を出すことが多いですが、こちらはナノ粒子も不使用。

成分を見ると酸化亜鉛とシア脂で紫外線防止効果を出しているようです。
ノンナノかつ天然成分でどのようにSPF50/PA++++の高い紫外線カット効果を出しているのか、あくまで成分を見た限りでの考察ですが、全成分の2番目に酸化亜鉛が表記されていますので*、割と高配合の部類に入るかと思います。

*化粧品の全成分は配合量の多い順に記載されます。

酸化亜鉛には皮脂と結合して固化する特徴があります。皮脂崩れを防止しサラッとさせるのですが、逆に高配合だと乾燥してしまうデメリットがあります。

  • 乾燥肌、インナードライ肌
  • 敏感肌

の方は、酸化亜鉛を高配合しているものだと、時間とともに乾燥がより気になってしまうかもしれません。

敏感肌,改善,方法,スキンケア,クレンジング,乾燥肌
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酸化亜鉛の粉体表面のコーティングを行っているものであれば、乾燥をある程度防ぐことができます。上記の肌悩みのある方は、酸化亜鉛をコーティングしているものや、もう少しSPFやPA値の低いものを選ぶと良いかと思います。

商品名 サンゴに優しい日焼け止め
SPF・PA値 SPF50/PA++++
価格 税込3,300円(※販売価格は執筆時点のものです。また、販売店舗によって異なる場合がございます。)
内容量 40ml
販売元 ジーエルイー合同会社
全成分 ゴマ種子油、酸化亜鉛(ノンナノ)、ヤシ油(ココナッツオイル)、ミツロウ、シア脂、ホホバ種子油、ラベンダー花油、セイヨウハッカ油、ユーカリ葉油
ヴィーガン対応 ×(ミツロウ使用)
白浮き 若干あり
特徴 プラスチックフリー、バームタイプ、ナノ粒子不使用
こんな方におすすめ 脂性肌、テクスチャーが硬めでも気にならない、プラスチックフリーの容器にこだわりたい
サンゴに優しい日焼け止め(40g)
サンゴに優しい日焼け止め

 

2.ヴィーガンUVミルク(ラヴィステラ)

ヴィーガンUVミルク(ラヴィステラ)

ラヴィステラのUV MILKは、京都大学と産官学連携による研究をベースに10年を経て開発された、紫外線散乱剤を均一に分散させる独自技術を採用。
酸化亜鉛の特殊コーティングにより、分散性に優れた紫外線カット機能を発揮。 「白浮き」「ムラ焼け」を防ぎます。

さとみ
さとみ
酸化亜鉛を特殊コーティングしているため、乾燥肌や敏感肌、アトピーなどお肌が化粧品成分に反応しやすい方にもおすすめの処方となっています。

ヴィーガンUVミルク(ラヴィステラ)オーガニック配合率は63.6%、ナノ粒子不使用。また、すべての成分は化学変換も行わないなど、天然成分100%に徹底してこだわっています。

また、売り上げの一部はサンゴの苗植えをはじめとした保全活動へ寄付されます。
初回40%OFF、2回目以降は10%OFFになる定期購入がお得です。

商品名 ヴィーガンUVミルク
SPF・PA値 SPF30/PA+++
価格 税込4,950円(定期購入は初回2,970円、2回目以降4,455円)
内容量 30ml
販売元 株式会社ラヴィステラ
全成分 水、ダマスクバラ花水、カリ石鹸素地、酸化亜鉛、グリセリン、クエン酸、キサンタンガム、ホホバ種子油、ツバキ種子油、オリーブ果実油、マカデミア種子油、トコフェロール、ヒノキチオール
ヴィーガン対応 ⚪︎(動物由来成分不使用)
白浮き なし
特徴 63.6%オーガニック成分、化学変換した成分も一切不使用、植物由来のバイオプラスチック容器使用
こんな方におすすめ 乾燥肌、敏感肌、アトピー肌、化学変換も行わない天然原料にこだわりたい、白浮きしたくない

3.moani ORGANICS 日焼け止め乳液(モアニ・オーガニクス)

moani ORGANICS 日焼け止め乳液(モアニ・オーガニクス)

全成分の一番はじめに酸化亜鉛が記載されていますので、乾燥肌や敏感肌の場合、時間と共に乾燥が気になることがあるかもしれません。
自然由来成分ではありますが、自然由来の原料を化学変換した成分がいくつか見受けられます。
50gの容量に、SPF50/PA++++と高い紫外線カット効果があるので、全身に使用したい方やどちらかというとレジャー使いにおすすめです。

商品名 moani ORGANICS 日焼け止め乳液
SPF・PA値 SPF50/PA++++
価格 税込4,070円(公式サイト価格)
内容量 50g
販売元 株式会社フォーチュン
全成分 酸化亜鉛、ラウリン酸メチルヘプチル、アロエベラ液汁*、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、エリスリトール、プロパンジオール、タルク、炭酸Ca、ポリヒドロキシステアリン酸、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、パルミチン酸デキストリン、マテチャ葉エキス、ホホバ種子油*、ヤシ油*、アボカド油*、アーモンド油*、アニス酸Na、グリセリン、ラウロイルリシン、マルトデキストリン、水、レブリン酸Na
ヴィーガン対応 ⚪︎(動物由来成分不使用)
白浮き 重ね塗りで白浮きすることも
特徴 原料の15%がオーガニック原料、レジャー向けの高い紫外線カット効果、成分は化学変換したものも配合されている
こんな方におすすめ 紫外線防止効果の高いものを探している、サーフィンやマリンスポーツなどレジャーでの使用

 

4.オールライトサンスクリーンクリーム(アムリターラ)

オールライトサンスクリーンクリーム(アムリターラ)

天然美容ミネラル「セリウム」で作ったノンケミカルのUVクリーム。日焼け止め特有のきしみ感はなく、乳液のようになめらかな使い心地が特徴です。

さとみ
さとみ
若干の白浮きがあるので、肌をワントーン明るく見せたい方向け。SPF18/PA+とUVカット効果は若干低めではありますが、ブルーライトカット効果があるので、室内での使用や短時間の外出などにおすすめです。

乳化もレシチン(大豆由来)で行っており、天然成分にこだわった処方で、敏感なお肌にもマイルドな日焼け止めです。

商品名 オールライトサンスクリーンクリーム
SPF・PA値 SPF18/PA+
価格 税込4,400円(※販売価格は執筆時点のものです。また、販売店舗によって異なる場合がございます。)
内容量 40ml
販売元 株式会社AMRITARA(アムリターラ)
全成分 水、酸化セリウム、プロパンジオール、オリーブ果実油、パルミチン酸、ホホバ種子油、クロヨナ種子油、グリセリン、ステアリン酸、ヤシ油、エタノール、キサンタンガム、シア脂、コルクガシ樹皮エキス、オーク根エキス、ヒアルロン酸Na、アルギン酸Na、ローマカミツレ花エキス、ローズマリーエキス、セラミドNP、レウコノストック/ダイコン根発酵液、グレープフルーツ種子エキス、レシチン、水酸化K、トコフェロール、ヒマワリ種子油、ナツミカン果皮油、ローズマリー葉油
ヴィーガン対応 ⚪︎(動物由来成分不使用)
白浮き 若干あり
特徴 ナノ粒子不使用、ブルーライトカット効果あり
こんな方におすすめ 屋内での使用、パソコンをよく使用する方、短時間の外出

 

日焼け止めは使用用途と使用感、成分で選ぼう

ナチュラルコスメ、オーガニックコスメメーカーの肌とサンゴに優しい日焼け止めを5つご紹介しました。
いずれも紫外線吸収剤不使用という点には変わりはありませんが、メーカーごとに配合成分やテクスチャーの違い、乳液タイプなのかバームタイプなのか等、特徴が異なります。

さとみ
さとみ
何を優先するかでおすすめの日焼け止めも変わってきますので、用途やシチュエーションに応じて選んでみてくださいね。
ABOUT ME
野田 聡美 | Satomi Noda(編集長)
株式会社ラヴィステラ代表。JAMHA認定ハーバルセラピスト、JOCA認定オーガニックコスメアドバイザー、JADP認定マクロビオティックセラピスト、ソウルナンバー鑑定士、AEAJアロマテラピー検定1級。本業の保護猫の召使いの傍ら、ヴィーガンスキンケアの開発を行っています。