エシカル(Ethical)とは、「地球環境や人権問題を考慮し、より倫理的な生活様式や消費行動を選ぶこと」を意味します。
当記事では、「エシカル」の概念を理解し、私たちの日々の生活にエシカルを取り入れる具体的な方法をご紹介します。
エシカル消費の意義と重要性
エシカル消費とは
エシカル消費とは、地球環境や生産者を意識した消費行動のことを指します。
これは、「安価で質の良い商品」だけでなく、「人や地域、環境などに優しい商品」を購入することで、社会課題の解決に貢献できるという考え方です。
エシカル消費を実践することで、個々の消費行動が社会問題の改善につながることが期待されています。
エシカル消費は、品質や価格、安全性だけでなく、環境や労働者への配慮などの4つの要素に基づいて商品やサービスを選ぶ消費行動です。
実際に、欧米だけでなく日本でも、エシカル消費に配慮した商品展開やサービスが始まっています。
エシカル消費の重要性
エシカル消費は、環境や社会に優しい消費が求められる現代において大きな意義があります。環境破壊や労働者の条件の改善はもちろん、地域経済の活性化や生物多様性の保護など、様々な問題に対して貢献することができます。
また、エシカル消費を実践することで、消費者自身も、自分たちの消費行動が地球や社会に与える影響について考えるきっかけとなります。
これにより、持続可能な社会の実現に向けた意識が広がり、環境保全に貢献することができます。
エシカル消費の具体的な取り組み
エシカルな暮らしを実践するには、日常生活の中でエシカルな選択を行うことが欠かせません。たとえば、
- エコバッグを使用する
- 極力プラスチック製品を避ける
- 地元の農産物を選ぶ
などといった習慣を身につけることが挙げられます。
これらの行動を通じて、地球環境や生産者、地域社会に配慮した暮らしを実現できます。
また、エシカルな商品やサービスを利用することで、消費者として企業にエシカルな生産活動を求める働きかけができます。
エシカルファッション
エシカルファッションとは、地球環境に優しく、また服作りに携わる労働者にも配慮されたファッションのことを指します。
例として、GOTS認証やエコマーク、フェアトレードの認証マークが付いた洋服があります。
これらの基準による商品を選ぶことで、環境や人に優しい消費を実践できます。
また、持続可能なファッションのために、リサイクルやアップサイクルなどの取り組みも行われています。
近年、アパレル企業やデザイナーにおいても、循環型のファッションを提案し、環境負荷の低い製品の開発に取り組んでいます。
参考:GLOBAL ORGANIC TEXTILE STANDARD(GOTS)
エシカルウェディング
エシカルウェディングは、結婚式で使うアイテムや料理などをエシカルな思想をもとに選ぶことで、地球環境や社会、人に配慮して行われる結婚式のことです。
たとえば、エシカルなダイヤモンドを使ったリングや、環境に配慮した衣装、地元の食材を使用した料理などが挙げられます。
また、CO₂排出量やゴミの削減に取り組むことも、エシカルウェディングの重要な要素です。結婚式を通じて、地球環境や社会に配慮した取り組みを実践することで、パートナーと新しい家庭を築く上での倫理的な意識を高めることができます。
オーガニック製品の購入
オーガニック製品を購入することも、エシカル消費に寄与します。具体的には、オーガニックコスメ、有機野菜、オーガニックコットンといった製品が挙げられます。
オーガニック製品の主な特徴は、
- 合成農薬や化学肥料の不使用
- 遺伝子組み換え作物の不使用
- 持続可能な農業方法の採用
などがあります。
これにより地球環境への悪影響を減少させ、土地や水源の保全に寄与します。また、オーガニック農業は通常、農業労働者の労働条件にも配慮しています。
参考:健康被害相次ぐ農薬、防止策守られず 初の実態調査(朝日新聞)
ただし、エシカル消費は他にも様々な側面を考慮する必要があります。
例えば、労働者の権利、公正な賃金、地域社会への貢献なども、エシカルであるかどうかを判断する重要な要素となります。
オーガニック製品がこれらの側面にも焦点を当てている場合には、エシカル消費に一層寄与することができるでしょう。
エシカル消費をより深く実践するには、製品ラベルやオーガニック認証を確認し、自発的に情報収集し、広告のみに左右されない視点で製品を選ぶことが大切です。
動物と地球に優しいヴィーガン商品の購入
ヴィーガンのライフスタイルは、一般的にエシカル消費の一形態と考えられます。
ヴィーガニズムは、アニマルライツ(動物の権利)、環境への影響、および持続可能性に焦点を当てた食事およびライフスタイルの選択であり、より広義な範囲で倫理的価値観が反映されます。
ヴィーガニズムがエシカル消費と結びつく理由には次のものが挙げられます。
- 動物の権利(アニマルライツ)の尊重
ヴィーガニズムは動物の苦しみを最小限に抑えることを目指しており、動物の搾取や使用を避けることで、動物権利を尊重しています。 - 環境への配慮
ヴィーガンの食事は、畜産に伴う環境問題、水資源の浪費、温室効果ガスの排出などを軽減する効果があります。 - 持続可能性への貢献
植物性の食品を中心にした食事は、地球上の有限な資源をより効果的に利用し、持続可能性へ貢献することができます。 - 倫理的な消費の一環
動物由来の製品を避けることで、自身のライフスタイルが動物虐待や不道徳な取引に貢献しないよう努めることができます。
フェアトレード製品の購入
フェアトレードは、生産者や労働者に公正な価格や労働条件を提供することを目指しており、社会的・環境的な側面に焦点を当てた取り組みです。
- 公正な価格
生産者に公正な価格を支払います。これにより、彼らが適正な生活水準を維持し、コミュニティ全体に利益をもたらします。 - 適正な労働条件
適正な労働条件の確保を重視しています。これには安全な労働環境、適正な労働時間、労働者の権利の尊重が含まれます。 - 地域社会への貢献
フェアトレードプレミアム(Fair Trade Premium)と呼ばれる追加の資金は、地域社会の発展や教育、健康などのプロジェクトに利用されます。 - 環境への配慮
持続可能な農業実践を奨励し、環境にやさしい方法で生産することを重視しています。 - 透明性と責任
フェアトレードの仕組みは透明性が求められ、生産者や製品の生産過程について情報を提供することが求められます。
フェアトレード製品を選ぶことは、消費者が社会的・環境的な側面を考慮して商品を購入する一環となり、エシカル消費の一形態となります。
フードロスを削減できる通販サイトの利用
日本では年間に約612万トンの食品がロスとして破棄されています。その中でも、家庭からの食品ロスが大きな割合を占めます。
廃棄される食品の処理には大量のエネルギーが必要とされ、環境に多大な負荷をかけています。
賞味期限切迫品やワケあり商品を安く仕入れ、リーズナブルな価格でユーザーに提供している通販サイトを利用することで、エコなだけでなくお財布にも優しい暮らしを取り入れることができます。
プラスチックフリー
「プラスチックフリー(Plastic-Free)」は、製品やライフスタイルがプラスチックを含まない、または極力最小限に抑えられている状態を指します。
この考え方は、プラスチックの環境への影響や廃棄物問題に対する意識の高まりから生まれました。
具体的には以下のような取り組みがあります。
- プラスチックの使用を控える
- プラスチックのリサイクル
- リユース(再利用可能な商品を使用する)
- 包装を断る
- マイバッグやマイボトルの持参
- 量り売りの食品や洗剤を購入する
地球に優しいエネルギーの選択
再生可能エネルギーの利用
エシカルな行動の一つとして、再生可能エネルギーを使った地球に優しい電気を選ぶことが挙げられます。太陽光や風力、地熱などの再生可能エネルギーは、環境に優しく持続可能な電気供給の手段です。
再生可能エネルギーによる発電は、化石燃料の使用量や温室効果ガスの排出量を削減することができます。
消費者がエシカルなエネルギー選択を行うことで、消費者が一体となって地球環境の保護に貢献することができます。
再生可能エネルギーの種類
再生可能エネルギーは、持続可能であることから枯渇する懸念が少なく、温室効果ガスの排出を抑制できるエネルギー源です。
再生可能エネルギーには以下の種類があります。
- 太陽光発電
- 風力発電
- 水力発電
- 地熱発電
- バイオ発電
これらの再生可能エネルギーは、持続可能なエネルギー供給に寄与し、温暖化対策やエネルギーの安定供給に向けて、世界中で積極的に導入されています。
再エネの電力会社3選
みんな電力は、電力の生産者とそのストーリーを感じることができる、「顔の見える電力™」を提供しています。
環境破壊に繋がる開発行為を行っていないことや、 地域住民との合意形成など、電源調達方針に関して合意のある発電者様から電気を調達することにこだわっている点が特徴です。
>> みんな電力
しろくまプランの電気は実質再生可能エネルギー100%で、環境に配慮した電力プランです。
固定料金の安心感と市場連動型の利点を組み合わせて、電気代負担を減らす仕組みも導入され、「電気料金業界最安値」を目指して設定されています。
大手電力会社の電気料金と比較して、最大25%の電気代削減が可能です。
今なら、1ヵ月間無料のお試しキャンペーンも実施されています。
>> しろくま電力(ぱわー)
環境に配慮した電力サービス「さすてな電気」は、東京ガスが運営しています。
全プラン、再エネ指定の非化石証書の活用により、実質的に再生可能エネルギー100%の電気を使えるようになります。
電気料金は東京電力EPの「従量電灯B」「従量電灯C」と同額設定のため、同プランからの切り替えなら、これまで通りの電気料金で環境に優しい電気を使うことができます。
また、さすてな電気への切り替えで、1契約につき1本の植林が行われます。
>> 東京ガスのさすてな電気
ここでご紹介した再エネの電力会社はごく一部ですが、上場企業が運営する国内最大級の電力・ガス比較サイト【エネチェンジ】なら、WEB上で料金比較から切り替え手続きまでワンストップで行うことができます。
切り替えの際に参考にしてみてくださいね。
子どもへの教育
エシカルな暮らしの実践には、次世代への教育が欠かせません。地球環境や地域社会への配慮を根幹としたエシカル教育を通じて、子どもたちが将来的に持続可能な社会を築く力を育むことができます。
地方自治体や教育機関では、エシカル消費の普及・啓発活動が行われており、子どもたちにエシカルな消費行動を励行することが求められています。
ネイティブアメリカンの教えに、次のような言葉があります。
地球は先祖から譲り受けたものではない。子供たちから借りているのだ。
どんなことも七世代先まで考えて決めなければならない。
わたしたちは、利益を追求するあまり、次世代への影響を度外視した社会活動を長いこと続けてきました。
わたしたち自身が生き方をより社会に目を向けて改善するとともに、地球環境や社会問題の解決に大切なエシカルな暮らしを、将来の世代にも引き継いでいく必要があるのではないでしょうか。
まとめ
エシカルは、地球環境や社会に優しい選択を重視する考え方であり、消費者の一人ひとりがその意義と重要性を認識し、日常生活に取り入れることが求められています。
持続可能な社会と環境を実現するために、私たち一人ひとりが消費行動を見直す努力が大切です。